株式会社ナピル
2026年9月14日

【新機能】EMSに連系点電力制御エンジン「PCCE」を搭載 ~100ms周期・誤差0.01%で高精度追従、専用制御盤なしで完結~

報道関係者各位
2026年9月14日
株式会社ナピル

ナピルのEMS、連系点電力制御エンジン「PCCE」を搭載
連系点電力を100ミリ秒周期で制御し、契約電力に誤差0.01 %以内で追従

負荷と太陽光の変動を蓄電池が吸収し、受電側・送電側それぞれの契約電力を守ります。デマンド制御盤を別途設けることなく、EMS内で完結します。

株式会社ナピル(以下、ナピル)は、蓄電池向けEMS(エネルギーマネジメントシステム)に、連系点電力制御エンジン「PCCE(Point of Common Coupling Control Engine)」を搭載します。PCCEは連系点の計測値を100ミリ秒周期で取り込み、構内の負荷変動に追従しながら蓄電池を充放電させることで、あらかじめ設定した契約電力に対し、定常時は誤差0.01 %以内で追従します。あわせてランプレート(出力変化率)の指定にも対応し、過渡時の応じ方を設定値で調整できます。

CONTROL CYCLE
100ms
連系点電力の制御周期
負荷変動に追従
ACCURACY
0.01% 以内
契約電力設定値に対する誤差
定常時/実機検証値(PCS 1社)
RAMP RATE
可変
出力変化率の指定
過渡時の挙動は設定値に依存
HARDWARE
0台
追加のデマンド制御盤
EMS内で完結

機能の概要

蓄電池に対して「500 kW放電せよ」と指令し、そのとおり出力されたとしても、連系点の電力は目標から外れます。構内の負荷も太陽光発電も、刻々と変化しているためです。連系点を目標どおりに保つには、連系点そのものを計測し、偏差を打ち消すように蓄電池を動かし続ける必要があります。

PCCEは、この閉ループを100ミリ秒周期で回します。負荷が跳ねても、雲がかかって太陽光の出力が落ちても、その変化を検知して蓄電池の充放電に反映し、連系点電力を設定値に貼り付かせます。本機能は、PCSメーカー1社の製品との組み合わせにおいて、当社実機による検証を実施済みです。

図1 連系点電力追従の動作イメージ
上段が構内の電力、下段が連系点電力(拡大表示)。動作を説明するためのイメージ図であり、実測データではありません。
負荷 太陽光 蓄電池(正 = 放電) 連系点電力 契約電力(設定値) 誤差 ±0.01 %
構内の電力[kW] 1,200 600 0 -200 連系点電力[kW](拡大) 500.2 500.0 499.8 契約電力 500 kW(受電)に対し ±0.05 kW(0.01 %)の範囲を維持 0 分 30 分 60 分
上段のとおり負荷と太陽光は絶えず変動していますが、蓄電池がその差分を吸収するため、下段の連系点電力は契約電力に貼り付いたまま動きません。縦軸を ±0.2 kW まで拡大しても、設定値の±0.01 %(±0.05 kW)の帯から出ません。設備の起動や雲による太陽光の急減が起きた瞬間にはわずかな振れが生じますが、その振れ幅と戻り方は指定したランプレートに依存します。

3つの特徴

FEATURE 01

100ミリ秒周期の負荷追従

連系点の計測値を100ms周期で取り込み、同じ周期で蓄電池への指令を更新します。負荷の跳ね上がりや太陽光の急減も、秒未満で吸収します。

FEATURE 02

契約電力へ誤差0.01 %以内で追従

受電側・送電側それぞれに契約電力を設定でき、定常時は設定値に対する誤差0.01 %以内で制御します。逆潮流をゼロに保つ運用にも対応します。

FEATURE 03

ランプレート指定による平滑化

出力変化率を指定することで、階段状の急変ではなく傾斜をつけた移行が可能です。過渡時にどこまで追い込むかは、この設定値によって決まります。

図2 ランプレート指定の効果
目標値が変化したときの蓄電池出力の移り方。動作を説明するためのイメージ図であり、実測データではありません。
ランプレート指定なし ランプレート指定あり
蓄電池出力[kW] 目標値 0 目標値の変化 0 s 傾き = 指定したランプレート 時間
ランプレートを指定しない場合は制御周期ごとに目標値へ飛びますが、指定した場合は設定した変化率に沿って直線的に移行します。PCSの出力変化率制限や、系統側との協議条件に合わせた運用が可能です。過渡時に連系点電力をどこまで追い込むかも、この設定値によって決まります。

PCCEとBCCE ― 制御の2層構造

蓄電所の制御は、「サイト全体としていくら出すか」と「それを機器にどう配るか」という性格の異なる2つの判断でできています。ナピルはこの2つを独立したエンジンとして実装しています。上位を連系点電力制御エンジン「PCCE」、下位を蓄電池協調制御エンジン「BCCE」が担い、いずれも100ミリ秒周期で動作します。

市場指令・運用計画・構内の制約条件
↓
UPPER LAYER
PCCE 連系点電力制御エンジン
Point of Common Coupling Control Engine
連系点の計測値を100ms周期で取り込み、サイト全体として出すべき電力を決めます。契約電力(受電側・送電側)とランプレートが設定項目です。負荷と太陽光の変動は、この層で吸収されます。
↓ サイト全体の目標出力
LOWER LAYER
BCCE 蓄電池協調制御エンジン
Battery Coordinated Control Engine
受け取った目標出力を、各PCS・各電池クラスタへ配分します。残量・温度・警報状態に応じたSoCバランシングと、3段階の電力配分(上限保護/再配分/定格保護)を担います。
↓ 各PCSへの出力指令  /  ↑ 計測フィードバック
PCS・電池クラスタ

この分離により、構内の制約を守ることと、機器を傷めずに配ることを、別々に設計できます。連系点の条件が案件ごとに違ってもPCCEの設定で吸収でき、PCSの台数や電池構成が変わってもBCCE側で扱えます。

想定される用途

用途設定の考え方効果
逆潮流の防止送電側の契約電力を0 kWに設定構内の余剰が系統へ流出することを防ぐ
契約電力の超過回避受電側の契約電力に上限を設定デマンド超過による基本料金の上昇を抑える
逆潮流上限の遵守送電側に協議で定めた上限を設定系統連系協議の条件を守りながら売電する
自家消費と市場応動の両立連系点の制約を枠として市場指令を合成構内条件を守りつつ調整力として応える
系統への急変抑制ランプレートを指定出力の急峻な変化を避け、機器負担も軽減

事業者さま・EPCさまにとっての意味

デマンド制御盤を別途組む必要がありません。連系点の計測をEMSに取り込み、契約電力とランプレートを設定するだけで、制御はPCCE内で完結します。案件ごとに異なる条件も、機器の改造ではなく設定変更で吸収できます。

また、連系点の制約と市場への応動を別々の仕組みで管理しなくてよい点も実務上の利点です。構内の条件を守ることと、調整力として市場に応えることを、ひとつの制御の中で扱えます。

本リリースに関する注記

内容を正しくご理解いただくために
  • 図1・図2は、機能の動作を説明するためのイメージ図です。実測データではありません。
  • 誤差0.01 %以内は定常時における設定値に対する値です。目標値の変化時や負荷・太陽光の急変時における過渡的な偏差は、指定したランプレートの設定値に依存します。
  • 記載の実測結果は、PCSメーカー1社の製品との組み合わせによる検証結果です。PCSの機種や応答特性が異なる場合、追従精度は変わります。他機種との組み合わせについては個別にご相談ください。
  • 実際の追従精度は、連系点の計測構成、計測周期、PCSの応答特性、負荷変動の性質によって変わります。個別案件での条件は別途ご確認ください。
  • 指定可能なランプレートの範囲、および対応する計測器・PCSの機種と通信プロトコルは、個別にご相談ください。

製品概要

製品位置づけ概要
PCCE連系点電力制御エンジン連系点の電力を100ms周期で計測し、サイト全体の目標出力を決定。契約電力への追従とランプレート制御を担う。
BCCE蓄電池協調制御エンジンサイト全体の目標出力を100ms周期で演算し、各PCS・各クラスタへの指令値を決定。SoCバランシングと3段階の電力配分を担う。
ENE-G300低圧向け EMS制御装置低圧蓄電所の現地制御。PCCEとBCCEを搭載。
ENE-C300高圧向け EMS制御装置高圧蓄電所の現地制御。PCCEとBCCEを搭載。
ENECloudクラウドプラットフォーム多拠点の監視・記録・遠隔設定。現地装置と連携。

株式会社ナピル|PRESS RELEASE 2026.09.14 連系点電力制御/当社実機検証(PCSメーカー1社との組み合わせ)